Masaki Koike's blog

編集などを生業としています。モヤモヤの吐き出し、触れたものやつくったものの所感の備忘録など。

編集後記:220110-220116

また一週間が過ぎた。

 

今週は、なぜか(主に精神的な)調子が良くなくて、しんどい一週間だった。なにか明確な原因があるわけではないのだけれど、年明けくらいから何かに急き立てられるように、焦りを感じている。30を目前にしていることが関係しているのかわからないが、20代前半のような自己実現への焦燥感、何をしていても目の前のことに集中しきれない状態が続いていた。ただ、土日は少し仕事を抑えたり、冷静にその要因を見つめて反芻したり、友達やパートナーに話してみたりすることで、少し緩和された気がする。今は比較的、穏やかな気持ち。

 

それでも、仕事はできる。仕事を始めると、アドレナリンが放出されて、しんどい感覚が麻痺する。よくないしのぎ方な気もするけど。今週は粛々と、原稿を書いたり編集したり。急遽、三浦半島での早朝から昼過ぎまでの取材を手伝うことにもなって、午前中の気持ちの良い三浦半島で、純アシスタント的な仕事に無心で取り組めたのは、いい箸休めになった。マグロだけじゃない、大根の産地としての三浦半島の魅力も知ることができた。まぁ、マグロも相変わらずおいしかったけれども。

 

ただ、そういう精神状態だったから、あんまり積極的に読んだり観たりはできず。ただ、菅啓次郎『本は読めないものだから心配するな』には、今の状態も相まって、いい影響を与えてもらえた気がする。焦らなくていい。

それから昨日、各所で絶賛されていた『浅草キッド』を観た。飽きずに見られたし、大泉洋柳楽優弥の演技はとてもよかったが、正直あんまり好きじゃないと感じた。クオリティの高い作品ではあると思ったけれど、プロットはわりと予定調和だったし、師弟の関係性ももっと深いところまで描いてほしかった。

テレビドラマはいくつか初回を観た。『ファイトソング』はまだ何ともいえない。岡田惠和脚本の作品は、『ひよっこ』や『最後から二番目の恋』など、大好きな作品もたくさんあるが、多作ゆえに当たり外れが激しい印象もあるので、まだ判断できないという感じ。

一方、キャスト陣に惹かれ、あまり期待しすぎずに観た『ミステリと言う勿れ』はバチクソ面白い。日常会話系の小劇場映画のような小気味良い会話と適度なハンドメイド感、わざとらし過ぎないよく練られたプロット、ほどよい抜け感、そして良くも悪くもとても現代っぽいリベラルなキャラクター造形。後追いでさっき観たのだけれど、すでに次回が楽しみ。と思ったらもう明日か、最高。

 

今週の関心事は、いかにしてランニングの習慣を楽しく取り戻すか。そして、いかにしてこの焦燥感から抜け出すか。あ、明日は今年初のカネコアヤノ、しかもおそらくラストコースト。コーストの音響で聴けるというだけで、とても楽しみ。仕事は今週もまぁまぁハードだけど、一つひとつ丁寧に向き合ってゆこう。