2月、なぜか忙しく、一日も休めなかった気がする。でも、そんな中でも、出張ついでに奈良に寄るなどした。厳密には、特に工房や窯を訪ねたわけではないのだけれど、「産地」ではあるのでこれも1箇所カウントとしよう。
修学旅行をのぞき、奈良に行くのは2回目。学生時代からの友人が住んでいて、昨年も京都出張のついでにたずねた。今回も同じだが、ひとりで半日くらいブラブラする時間も持てて、計24時間近く滞在。初日夜はまたその知人夫婦と飲み、翌日は別の知人とランチ。すっかり満喫し、もう少し理解が深まった気がする。そして、前回とほどよいサイズ感やゆるさに居心地の良さを感じたのだが、今回もより一層、奈良が好きになる。
まるで阿佐ヶ谷のような雰囲気の商店街。喫茶店とスパイスカレー多め。違うのは、背景に山々が、広がっていること。
商店街から一歩曲がるとこんな路地があるのは、阿佐ヶ谷にはないところかもしれない。
なんとなく入った喫茶店が、白楽の珈琲文明を思わせる雰囲気でとてもよかった。奈良在住の知人もお気に入りの店とのことで、運良く引き当てた自分を褒めたい。
観光客に媚びない、民芸品の店も好感が持てる。後者はすごい気難しそうなおじいさんが一人で営んでいて、「興味ない人お断り」の張り紙が。
工藝館にて、一通り奈良の伝統工芸を学ぶ。
奈良といえば、中川政七商店。本店、相変わらず素敵な場所。
おまけ。なんだかぐっときた看板。
ただ、今回会った知人たち、みんな近いうちに奈良を去るらしい。このタイミングで来られてよかった。
奈良のいいところは、京都より深い歴史を持っていて、むろん伝統工芸もたくさん残っているにもかかわらず、なんだか来る者拒まず、むしろ軽薄さを歓迎しているようにも感じるところ。近鉄奈良駅を降りると、「壬申の乱から1350年」というさすがに無理のある、京都でははしたなくてかかっていなさそうな看板が目に入るが、それが象徴するなんともいえないゆるさ。鹿を共同生活者として受け入れられるのも、そんな懐の深さからなのかもしれない。