Masaki Koike's blog

編集などを生業としています。モヤモヤの吐き出し、触れたものやつくったものの所感の備忘録など。

極小の蟹

連日の飲酒の合間に、疲れた肝臓や食道を労る夜。常夜鍋でなくとも、ほうれん草と豚バラをベースにした薄味の鍋が食べたくなり、お買い得だった牡蠣も入れつつ、簡単な寄せ鍋に。リュウジのレシピを参考にしたら、かつお節を5パックも入れるレシピで驚くが、薫る風味に心躍らせる。

 

思ったとおりの出汁ベースの味に癒されつつ、『コタツがない家』ロスの対策として観ていた『俺の話は長い』の最終話を観ながら食べていたら、桜海老のような、小さなピンク色の甲殻類に突き当たる。よくよく見ると、蟹の赤ちゃんのようだ。おそらく、牡蠣の殻の中にでも紛れ込んでいたのだろうか。小さな命をいただくことに一抹の後ろめたさも覚えつつ、思わぬ蟹に遭遇できた嬉しさ、極小サイズの蟹のかわいらしさ、そしてイレギュラーゆえにいつも以上に感じる、生命もっと言えば自然をいただいている感覚に、胸がほっこりあたたまる。今日は少し沈んだ気持ちだったが、ポッと灯りがともったような感覚。

 

これでなんとか、明日も生きていける気がする。ありがとう、小さな蟹さま。御馳走様でした。