Masaki Koike's blog

編集などを生業としています。モヤモヤの吐き出し、触れたものやつくったものの所感の備忘録など。

嗜癖について

基本的に、夜はお酒を飲んで心身を弛緩させることが日常になってしまっていたのだけど、ここ最近、主に忙しさと体調が原因で、一人で飲むことを控えている。

 

正直、めちゃくちゃ飲みたくなる瞬間もあるのだけど、なんとか耐えられている。なんというか、仕事や勉強でアドレナリンを出すことによって、擬似的な酩酊感覚を得ている気持ち。あまりいい気の紛らわし方ではないと思うし、実際、飲んでないのに疲れは抜けない。

 

おそらくもうすぐローンチされると思うのだが、去年、嗜好品の役割について、主に人文的な視点から考える仕事を、半年くらい集中的にやっていた。色んな人に話を聞いたが、視点はさまざまあれど、結局みんな言っていることは同じ。要するに、人間は機械ではないし、ロジックだけで動いているわけでないから、時折嗜好品のように冷静に考えるとただ身体に悪いだけのものをたしなまないと、人間の人間らしさ、言ってみれば非合理性が担保できないということ。

 

結局、お酒がなくなったからといって、また別のものに頼ってしまうだけ。もちろん、いわゆる依存症は適切に治療されるべきだし、そうなることを推奨しているわけでは、もちろんない。ただ、そうした人間のままならなさ、業の深さのようなものをある程度は許容してあげないと、人間は人間でなくなる。

 

何が言いたかったんだっけ。

 

あ、そうそう。1年くらい積んでた『愛の不時着』、ここ2週間くらいどハマりしていて、先ほどようやく完走。個々のキャラクターが魅力的な青春群像劇、ベタすぎるし計算され尽くされているけど漏れなく泣かされてしまう演出やストーリー設計、そして南北朝鮮という舞台装置を極めて巧みに使っている。これは流行るわ、と思う。僕はトレンディドラマを観るのが好きで、もはやライフワークになりかけてすらいるのだけど、愛の不時着はほぼトレンディドラマだと感じた。韓ドラ、今までほとんど関心がなかったのだけど、このトレンディドラマ性をもっと掘ってみたくなった。

 

要するに、仕事、そして『愛の不時着』という嗜好品によって、お酒なしでもやっていけてた、というしょうもない話。

 

誰にも告知せず、こういうまったく意味のない雑文を、夜な夜なスマホで書き綴るのは楽しい。これもまた嗜癖なのかもしれない。