Masaki Koike's blog

編集などを生業としています。モヤモヤの吐き出し、触れたものやつくったものの所感の備忘録など。

2023年のこと

ここ最近、毎年大晦日にその1年を振り返るブログを書くのが習慣になっているのだけれど、今年はかなりバタバタしていて、ぜんぜん書ける余裕がなかった。ただ、なんとか昨日仕事を納め、今日は朝から大掃除をして、夕方にはなんとか一通り終わったことにして、くたびれきって近所の銭湯に久しぶりに行った。うちの近所には銭湯がふたつあって、やや遠めのほうはサウナや寝風呂に加えて露天風呂まである充実ぶり(もちろん銭湯料金)なのでいつもはそっちに行っているのだけれど、疲れすぎてそこまで歩く元気がなかったので、久しぶりに近いほうに行ったら、サウナがリニューアルされていたのと、ちょっとした庭や薬湯などがしみじみ良く、とても満足。その後、電車でこの1年間の振り返りをしながら、久しぶりに川崎の実家へ。お年賀で送っていた五島の伊勢海老がとても甘くて美味しく、殻でだしをとった味噌汁、そして年越しそばもぶじ食べて、なんとか気力がでてきたので、簡単ではあるが今年の振り返りを書いておきたい。ただ、いつものように飲みながらややハイで書くほどの気力はないため、あくまでも簡潔に。というか納まらない仕事と連日の飲み会、そして今日の大掃除で完全に疲れ切っているので、今年はどうかご容赦いただけると嬉しい。SNSでシェアもしない。

 

 

仕事はたくさんした。しすぎたくらい。まずデサイロは本当に色々なことをした。まだまだこれからだけれど。なかなかうまくいかないことも多いけれど、人文学の支援はライフワーク的に取り組めるので楽しかった。具体の内容は以下の記事に。

desilo.substack.com

 

紙媒体の編集、イベント司会など、仕事の幅も広がっていった気がする。

wakusei2nd.thebase.in

designing.jp

 

ウェブ記事としても、魂のこもったものをいくつもつくれた。

desilo.substack.com

desilo.substack.com

designing.jp

 

PLANETSの「庭プロジェクト」や、公共とデザインなど、意欲的なプロジェクトに定期的に関わらせてもらっているのもとても刺激になっている。

slowinternet.jp

publicanddesign.studio

 

 

あと今年は、「DIG THE TEA」というメディアの編集部に入って、全国を駆け巡りながら嗜好品の探求や実験に勤しんだのもとても楽しかった。

digthetea.com

digthetea.com

digthetea.com

 

あと、MIMIGURIの経営陣の発信パートナー的なこともしていて、学習論や組織論などの知見に触れられて新鮮かつ刺激を受けている。

note.com

note.com

 

……という感じで、よく仕事した。流石にちょっと疲れてはいる。でも、来年も一層力を入れたいプロジェクトばかりなので、身体や精神のケアだけしっかりしつつ頑張らないと。来年は、こうしたプロジェクトでいっそう頑張るのに加えて、端的に言えば法人化してパブリッシャーとしても活動していきたいと思っている(宣言することで後に引けなくしていく)。

 

仕事以外の話も。まず今年は、出張のついでを利用して、工芸の産地をけっこうたずねた。この遊びは楽しいので来年もやっていきたい。

masakik512.hatenablog.com

 

本は仕事に関係しないものはあまり読めなかった気がする……。心の健康によくないので、来年はもっと読みたい。今年読んだ中で特に心に残ったのは以下のあたり。(新刊/休刊問わず)

・下西風澄『生成と消滅の精神史──終わらない心を生きる』

木田元ハイデガーの思想』

・岸本千佳『もし京都が東京だったらマップ』

木田元『反哲学入門』

・濱野ちひろ『聖なるズー』

・北尾修一『いつもよりも具体的な本づくりの話を。』

寺尾紗穂『南洋と私』

稲泉連廃炉──「敗北の現場」で働く誇り』

・北尾修一『自分思い上がってました日記』

・平井靖史『世界は時間でできている──ベルクソン時間哲学入門』

・稲田俊輔『食いしん坊のお悩み相談』

・井奥陽子『近代美学入門』

岡潔『数学する人生』(森田真生・編)

・三浦哲哉『自炊者になるための26週』

・三浦哲哉『食べたくなる本』

 

映画は序盤はたくさん観たが、春以降忙しくなるとぜんぜん観られなかった。来年は日常的に観る習慣を取り戻す。印象に残ったのは以下のあたり。旧作もまじってます。

『グッドバイ、バッドマガジンズ』

『君の鳥はうたえる』

『名付けようのない踊り』

『エゴイスト』

Winny

『怪物』

君たちはどう生きるか

『クレイジー・クルーズ』

 

ドラマはとくに終盤、忙しいときにたくさんみた気がする。疲れてるときダラーっと観てしまう。『ブラッシュアップ・ライフ』『こっち向いてよ向井くん』『コタツがない家』がとりわけ素晴らしく、特に『コタツがない家』は大好きだった。あ、『きのう何食べたSeason2』はもちろん素晴らしかった。

 

音楽はライブだと変わらずカネコアヤノを見守りつつ、秋頃に行ったオザケン講義、カネコアヤノとの2マンで初めて生で観た坂本慎太郎バンドが素晴らしかった。音源だと、近所のブックカフェ店主の影響もあり、NewJeansおじさんに片足を踏み入れた。さっき紅白も観たけど素晴らしかった。あと『LIGHT HOUSE』きっかけで久しぶりに星野源を聴き返したり、新アルバムがよかったLampを改めて聴き直したりしていた。あと今年は、信頼できる友達(しかもふだんあまり音楽の話はしない)にすすめられた音楽をよく聴くようにしていて、自分の感性が拡張されていく感覚を久しぶりに味わった気がする、NewJeansもそんな感じだったなそういや。

 

あと今年は、なにかと「友達」のありがたみを痛感した一年だった気がする。30になっても、何の利害関係もなく遊んでくれる旧友や、新たに仲良くなれる友達ができるのは、本当にありがたいし嬉しい。来年も、こんな自分と関わってくれることに感謝しつつ、友達、もっと言えば身近な人々を大切にしたいなとしみじみ思う。今年は、身近でもそうでないところでも、たくさんの「死」に遭遇したからこそ、そう強く思う。

 

 

……疲れてきた。気づけば、『孤独のグルメ』も始まっている。そんなこんなで、明日からまた頑張ろうと思う。このブログももっと気軽に、いろんな粒度で更新していきたい。ここ数日、本当に数行だけで更新するのをやってみたら、意外にハマったし。

 

あ、ひとつ宣言しておくと、来年は「自炊者」になります。この「26週」を、忠実に実践していきます。このブログにその記録も書こうと思う。自炊、わりと好きなのだけれど、忙しかったこともあり探究がまったくできておらず、最近はとにかく適当に鍋か味噌汁しかつくらないような感じで、それはそれでいいのだけれど純粋に向上心があり、年末読んだこの素晴らしい本を愚直に実践してみようと思った次第。ちゃんと毎週報告できるかな。

www.asahipress.com

 

というわけで、今年はわりと雑めになってしまったけれど、良いお年をお迎えくださいませ。