Masaki Koike's blog

編集などを生業としています。モヤモヤの吐き出し、触れたものやつくったものの所感の備忘録など。

マス、ルーティン、上海小吃

大変な年明けになってしまったけれど、なんとなく近況を書き残しておく。まず大晦日はやや追っかけで観た紅白(の後半)が素晴らしく、近年稀に見る出来だと思った。YOASOBIの批評的でクールで熱いあの大団円はもちろんのこと、NewJeansの熱さ、キャンディーズ寺尾聰の圧巻の演奏、改めて「引き受けた」印象をくれた星野源、そしてYOSHIKIのドラマチックな演出(あと、けん玉失敗からのエレカシ)など、マスエンターテインメントの底力を見た気がした。そして年明け、カタストロフィーの中での星野源のANNも、どの立場からものを言っているのか、という点を差し置いて言えば、本当に「立派」だと思った。これらからは、マスエンターテインメントの力に奮い立たされた。今さらながら、『推しの子』を楽しく観始めている。

 

あと年始はうまく時間をつくって、話題の『PERFECT DAYS』を観に行く。ルーティンの力、日常における創造と勉強、平日と休日、銭湯・飲み屋的サードプレイス、そして日常の本来的な非実在性。「住んでいる世界」のくだりはやや図式的すぎてイマイチ乗り切れなかったが、それがあってこそ、単に木漏れ日の美しさを寿げない重層性が生み出されている。日常の力と美をここまでの解像度で描けるのは凄まじい。たとえそれが虚構であったとしても、また結局は姪や行きつけのスナックのママとの対幻想なしには成り立たないものだとしても。きのう書いてた宇野さんのレビューが流石だった。

note.com

 

仕事は3日から始めていて、さっそくてんやわんや。きのうは外大の研究会にお邪魔して、映像人類学の面白さに初めて気づけた気がする。あとやはり腰を据えて英語力を引き上げねばならないかもしれない……。夜は(なぜか2週続けて行っている)上海小吃でデサイロメンバーで新年会。あの店なんか本当に居心地がいい、料理や雰囲気が素晴らしいのはもちろん、サービスのぶっきらぼうさが心地よい。

anthropology.aa-ken.jp

 

『自炊者になるための26週』の実践はしっかり始めている。1週終えたらまとめを書くつもりだが、ご飯派だけど頑張ってパン生活を楽しんでいる。あと近所の行きつけのブックカフェにようやく貸し棚を出店した。それから福島真人『学習の生態学』をあらためて精読していて、インスピレーションを受けまくっている。

www.chikumashobo.co.jp

 

そんなこんなで、自分にできることを淡々とやっていくしかないと思う、2024年始め。