Masaki Koike's blog

編集などを生業としています。モヤモヤの吐き出し、触れたものやつくったものの所感の備忘録など。

京丹後、丹後ちりめん

ここ最近、本当に仕事に追われていて、文章を書いてストレス発散ということすらまともにできていない。仕事のエネルギーが尽きたところで、お酒や鑑賞でストレスを解消し、また翌日仕事……というサイクルにおぼれてしまっていて、やりたいことはあるのだけれどあまりまともにできていない。一日休みなんてまったく取れていない。という状況で、精神・身体の疲労が限界に来てしまったので、今日の午後は休むことにした。マッサージにでも行こうか迷っていたが、たまっていた家事をして、堀内果樹園の梅仕事キットで梅酒を仕込むなどしていたら、だんだんと回復してきた。というわけで、先週、京都出張のついでにねじこんだ京丹後への工芸旅を簡単にまとめておく。ちなみに最近、いつもお世話になっている尊敬すべきフォトグラファーさんを贅沢にも付き合ってもらってついに一眼を購入し、今年の目標の一つであった「カメラを始める」を達成。とにかく毎日の隙間が楽しいのだが、その生活の変化はまたの機会に。とにかく今回の京丹後の写真は、そうしてパートナーとなったニコンのZ-fcに収めたものだ。

 

雨が降ったり止んだりの梅雨の朝、五条のホテルで目覚め、大浴場で目を覚ました後、近くで抑えていたカーシェアのステーションへ。京丹後へと向かう。

 

京都縦貫道をひたすた北上。途中からかなり雨が強くなり、山中であることもあり心細くなる。空腹ゆえ眠気もしそうで怖かった。途中のPAではこんな感じの悪天。

 

しかし、1〜2時間走った縦貫道を抜けて、若狭湾内の宮津港に来ると雨もやみはじめ、空腹も限界だったので漁港の朝食。ケの日の漁港の朝(と言っても10時近かったが)がしみじみと気持ちよい。刺身定食も素晴らしかった。



 







 

ちなみに今回のパートナー。



 

そうしてエネルギーをチャージしたら、山の中に20〜30分ほど車を走らせ、第一のお目当てである丹後ちりめん歴史館へ。海の京都から、山の京都へ。





 

月曜朝だからか他に来客もおらず、閑散とする館内で一通り丹後ちりめんの歴史を学ぶ。シボはやはり美しい。ただ、直近で行ったのが西陣だったからか、既視感のある風景が多かった気もする。

 

あっさりと記念館を見終えて、今度はちりめん街道へ。ここが平日というのもあり完全に観光客もおらず、自然と歴史、暮らしの溶け合うとても美しく、気持ちのいい場所だった。祖父の出身地である西伊豆を思い出す。ゆったりとした時間。小学校のチャイムが鳴り響く。そして静かな街の中で、時折鳴り響く機織り機の音。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなケの丹後を味わいつつも、唯一の(?)観光施設である、地元の名士(もちろんちりめんもやっていた)尾藤家の邸宅へ。例によって他に客はいなかったが、意外にも(?)スタッフは20代くらいの女性で、「人が多いところが苦手なのでずっとここにいるんです」と言っていた。和館も洋館もあり、相当な富豪だったことが想像されるが、見学というより完全にのんびりする。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、再び街を歩く。ほんとうに、ほんとうに静かだった。ちりめん発祥の地という碑も。

 

そんなこんなで、往復で5時間ほどかけ、滞在はおよそ1〜2時間という京丹後訪問は終了。その日のうちには横浜に戻らなければならなかったので、夕方には京都市内に戻った。京丹後、最近少し移住者なども増えているらしいが、気持ちはわかる気がする。京都市内とは完全に違う時間軸が流れている感覚。今度は1〜2泊しながら、海辺をもう少し散策したりゆっくり本を読んだりして、過ごしてみたくなった。西陣と丹後ちりめんの違いも、こうした土地の違いに根ざしているものが大きいのかもしれない。