Masaki Koike's blog

編集などを生業としています。モヤモヤの吐き出し、触れたものやつくったものの所感の備忘録など。

属人性のこと

属人性のある仕事がかなり好きな気がする。よくビジネスの世界なんかで、とにかく属人性を排することが称揚される。でもいうまでもなく、それは言い換えれば代替可能で、誰がやっても同じ仕事でもある。しかし、本来的にはどんな単純作業であっても、本質的にアナログな存在である人間がやる以上、代替不可能であるし、何かしらの個性が宿る。自分はそういう、否応なしに漏れ出てしまう属人性のようなものがグッとくるし、そういう仕事が好きだ。これは「◯◯っぽい仕事」とは似て非なるもので、狙ってできるようなものではなく、結果的に漏れ出てしまうものなのではないかと思う。もちろん、属人性を担保する余裕を生み出すために、ある面では属人性を排すべきという発想は理解できるが、属人性を排することが目的化したとき、こんなにつまらないことはない。